岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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口腔内環境を整えてインフルエンザ予防|歯科医師が解説する“お口の感染対策”

11月ブログ:口腔内環境とインフルエンザ予防
お口を整えることが、全身の感染対策につながります

こんにちは。
岐阜県岐阜市の、りお歯科クリニック歯科医師ブログです。
11月に入り、朝晩の冷え込みがぐっと強くなったところで、別のテーマでブログをかいていたのですが、インフルエンザが大流行しはじめたので、急遽「口腔内環境とインフルエンザ予防」というテーマでブログを書く事にしました!

学校や職場でも感染者が急激に増え始め、「絶対にインフルを予防したい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、インフルエンザ予防には「手洗い・うがい・ワクチン」だけでなく、口腔内環境を整えることが非常に大切だということが、近年の研究で明らかになっています。
急遽内容を変更した11月のブログでは、
「なぜ口腔ケアでインフルエンザが防げるのか?」
「日常でできるお口の感染対策」

などをわかりやすく解説していきます。

インフルエンザ

1. 口腔内の細菌がインフルエンザ感染に関係する理由

インフルエンザウイルスは、のどや鼻の粘膜に付着することで感染します。
ここで重要なのが、口腔内細菌の存在です。
お口の中には約500〜700種類の細菌が存在しており、その数は数百億〜1兆個に達することもあり、普段はバランスを保っています。しかし、
•歯磨き不足
•歯周病
•舌苔の蓄積
•口呼吸
•唾液量の減少(乾燥)

こうした状態が続くと、細菌の量が増え、のどの粘膜に炎症を起こしやすくなります。
炎症が起きた粘膜は、
•バリア機能が低下する
•ウイルスが付着しやすくなる
•少量のウイルスでも感染しやすくなる

というリスクが上がります。
つまり、
「口腔内環境が乱れていると、インフルエンザにかかりやすくなる」
ということになるわけです。

2. 歯周病菌がインフルエンザウイルスを“活性化”させる?

さらに注目すべき研究結果として、歯周病菌がインフルエンザウイルスを活性化させるという報告があります。
歯周病菌の出す酵素が、ウイルスの感染性を高めることがわかっており、
•歯周病が進行している
•プラーク(歯垢)が多い
•舌の汚れが溜まっている

こうした場合、ウイルスが体内に入りやすい状態になります。
特に高齢者の場合、口腔ケアを徹底するだけでインフルエンザ発症率が10分の1に下がったという東京歯科大学で行われた研究もあり、口腔管理の重要性が改めて注目されています。
※高齢者の口腔ケアで忘れてならないのが、誤嚥性肺炎との関係です。
口腔ケアを怠り炎症を引き起こす細菌が多く含まれる唾液などが肺に入った(誤嚥した)際には、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

高齢者の口腔ケア

3. 口腔ケアが「インフルエンザ予防」になる理由

口腔ケアで得られるメリットは次の通りです。
① 細菌の数が減る → 粘膜の炎症が起きにくくなる
歯磨き・舌磨きをすることで、粘膜が健康を維持しやすくなります。
② 唾液量が増える → 自然の抗菌作用が働く
唾液には「抗菌作用」「ウイルスの侵入を防ぐ作用」があります。
特に、噛む回数を増やすことで唾液が増えます。
③ 歯周病菌を減らす → ウイルスの活性化を防ぐ
定期的なプロフェッショナルケアによって、歯周病の進行を防ぎます。
④ 全身の免疫機能のサポート
お口の炎症が減ることで、免疫機能への負担が軽減されます。

4. 日常でできる「インフルエンザ予防のための口腔ケア」

1. 毎日の歯磨きを“ていねいに”する
1日2〜3回、特に寝る前は必須です。
2. 舌ブラシで舌苔(ぜったい)ケアをする
舌の汚れには多くの細菌が潜んでいます。
強くこすらず、優しく2~3回でOK。
3. 保湿を心がける(乾燥対策)
乾燥はインフルエンザの大敵。
•加湿器の使用
•こまめな水分補給
•鼻呼吸の習慣づけ
が効果的です。
特に鼻呼吸は重要でこれができないとインフルや風邪(ウイルスによって鼻や喉など上気道に炎症が起こる風症候群)になりやすくなるだけでなく、歯並びにも悪影響を与えるためすぐにやめて欲しいですね!
4. よく噛んで食べる
唾液分泌を促し、粘膜の保護機能が高まります。
5. マスク生活でも「お口のケア」を怠らない
マスクで油断すると、
•口呼吸
•乾燥
•細菌繁殖
を招くことがあります。

5. 歯科医院でのプロフェッショナルケアの重要性

ご自宅のケアだけでは落としきれない汚れを除去できるのが、歯科医院でのメンテナンスです。
•専門的なクリーニング(PMTC)
•歯周病検査
•舌の状態チェック
•唾液量のチェック
これらを行うことで、インフルエンザにかかりにくい口腔環境を整えることができます。
特に、「普段血が出やすい」「歯ぐきが腫れやすい」「口臭が気になる」と感じている方は、細菌量が増えている可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。

歯科衛生士

6. まとめ:お口を整えて、この冬を健康に乗り切りましょう

インフルエンザ予防というと、ワクチンや手洗い・うがいが注目されがちですが、実はお口を清潔に保つことが、感染対策の要です。
•口腔内の細菌を減らす
•粘膜の健康を守る
•歯周病を改善する
•唾液量を増やす

これらが総合的に働くことで、インフルエンザウイルスの侵入を防ぐ力が高まります。

この冬を健康に過ごすために、ぜひ「口腔内環境を整える=インフルエンザ予防」という意識を持っていただければと思います。
りお歯科クリニックでは、状況に応じてではありますが、メンテナンス(歯周病ケア)の際に唾液の分泌を促すため口腔ケアマッサージを行う事があります。
歯周病ケアはもちろんですが、お口に気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。