ここ岐阜市でも6月9日に梅雨入りしました!
じめじめと湿度を肌で感じる季節がやってきましたね!
春は春で花粉が怖くて外に出られず…この時期は雨に悩まされ…
私はどの季節にお外を楽しめば良いのでしょうか?
さて、そんな6月の歯科医師ブログは「雨と歯の痛みの関係」について書いてみようかと思います。
実はこのお悩み、意外と多いんですよ!
低気圧による「気圧性歯痛(きあつせいしつう)」とは?
まず、簡単に気圧と雨のお話からすると、
低気圧が接近する → 湿度が上がる → 雨が降る(ことが多くなる)。
順序としては、低気圧が周囲の空気を引き込み、上昇気流を生じさせ、水蒸気を含んだ空気が流れ込み、上空で冷やされて水滴や氷の粒になり雲を形成。雲が大きくなると、やがて重さに耐えられず雨になります。
このようにして「低気圧=雨の日」というメカニズムが成り立っています。
本題に戻りますが、気圧の変化によって生じる歯の痛みには「気圧性歯痛」という名前があります。
低気圧になると歯内の気体が膨張し、神経を圧迫することで痛みが生じるとされています。
歯の中には神経や血管の通る空間があり、その中の気体が「ボイルの法則」に従って膨張し、歯髄や神経を刺激して痛みを引き起こします。
ボイルの法則とは、気体を同じ温度に保てば、
圧力を2倍、3倍と増やすと体積は1/2、1/3に反比例するというもの。
逆に圧力が減る(低気圧)と、体積は増えてしまうというわけです。
スキー場や登山地でポテトチップスの袋がパンパンに膨らむ現象と同じ原理ですね。
飛行機や登山、ダイビングでも歯が痛くなる?
気圧の急変がある場面──たとえば飛行機の搭乗時や高山登山では、歯痛が起こることがあります。
逆に、スキューバダイビングなどの高気圧環境でも歯に痛みが出る場合があります。
高度の急上昇・急降下によっても歯痛が引き起こされるため、飛行機の離着陸時や(私は未経験ですが)スカイダイビングの際に、以前治療した歯が突然痛むといった事例も。
旅客機の機内は約2,000mの気圧に保たれているため、痛みが出ても不思議ではありません。
ただし、健全な歯髄では気圧性歯痛は起こりにくいとされています。
痛みがある場合、虫歯や歯髄炎などの問題が隠れている可能性があります。
軽視せず、歯科医院での受診をおすすめします。
天気・湿度の変化で歯が痛むときに疑うべき病気
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
低気圧で副鼻腔内の圧が変化し、上顎奥歯のあたりにズキズキと痛みが出ることがあります。 - 三叉神経痛
冷たい風や湿気が引き金となり、顔や歯に激しい痛みが出ることがあります。
数秒〜数分でおさまる片側の顔の痛みには注意が必要です。
このように、気圧や天候と歯の痛みが連動していると感じる場合は、自己判断せず、歯科や耳鼻科を受診し、専門的な診断を受けましょう。
気圧性歯痛の予防と対策
- 日常の口腔ケア
正しいブラッシングやフロスの使用、定期検診が大切です。
シュミテクトなど硝酸カリウム配合の歯磨き粉も有効です。 - 旅行前の歯科チェック
飛行機や高地への旅行前には歯科検診を受けましょう。
虫歯や治療中の歯があると、旅先で痛みが出てしまうことも。
治療スケジュールについても事前に相談しておくと安心です。 - 鎮痛剤の準備
気圧変化が予想される場面では、鎮痛剤を準備しておくと安心です。
ただし、根本的な治療は必ず歯科で行ってください。 - ストレスの軽減
精神的なストレスも痛みの原因に。
十分な休息やリラクゼーションを取り入れて、健康維持を心がけましょう。
まとめ:気圧と歯の痛みが気になる方へ
気圧性歯痛は、気圧の変化によって生じる一時的な痛みですが、放置すると慢性化や他のトラブルの原因になる可能性も。
日頃からの口腔ケアと定期的な検診で、健康な歯を維持しましょう。
また、旅行や登山、飛行機の搭乗前には、事前に歯科医院でのチェックもおすすめです。
「雨の日になると歯が痛い」「飛行機で歯がズキズキする」
といったお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
それでは!梅雨が長引かないことを願って…
岐阜市の歯医者 りお歯科クリニック 歯科医師ブログ