岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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歯科医師ブログ 口呼吸による悪影響について

こんにちは!
4月の、りお歯科クリニック歯科医師ブログです!
花粉症には、つらい季節の到来です…
そんな花粉症などのアレルギーだけでなく、慢性的な鼻づまりや長引くマスク生活などで、鼻呼吸が健康維持の基本である一方、知らず知らずのうちに口呼吸になってしまう方も少なくありません。
夜間や日中に口呼吸をしていると、口腔内だけでなく顔面全体の発育にも大きな影響を及ぼします。今月の歯科医師ブログでは、口呼吸がもたらす多面的な悪影響について、詳しく解説させていただきます。
口呼吸している人!口呼吸している家族がいる皆様!必読です(笑)

1. 口呼吸と歯並び・顔面発育の関係

筋バランスの乱れと歯並び

鼻呼吸の場合、舌は自然と上顎に密着し、口蓋(こうがい/口腔と鼻腔を分離している口腔上壁のこと)の正常な発達を促します。
しかし、口呼吸では常に口が開いた状態となり、舌は正しい位置から下がりがちです。
これにより、上顎の発達が不十分になり、狭い口蓋や歯列の乱れ、歯の傾き、重なり(クラウディング)が生じやすくなります。
さらに、口を閉じる際に働く唇や頬の筋肉も十分に使われず、歯列を内側へ押さえる力が不足することで、歯並びのバランスが崩れてしまいます。

歯並びについては、様々な研究や調査で親からの遺伝による顎の骨格や歯の大きさなどの遺伝的要因と、口呼吸(他にも指しゃぶりや栄養、舌癖)などによる環境的要因はそれぞれ半々ぐらいと言われています。
親御さんは注意して口呼吸をやめさせてくださいね!

口呼吸が及ぼす影響は、単なる歯並びの乱れだけに留まりません。
実は、口呼吸によって引き起こされる口腔内の筋バランスの乱れは、顔面全体の発育や骨格形成にも大きく関与しているのです。

次に口呼吸が顔面発育にどのような影響を及ぼすのか、具体的に見ていきましょう。
※画像を無断使用するのは良くないので、サマンサとケリーで画像検索してみてください。

大事なことなのでもう一度言いますが、口呼吸は歯並びの問題に加え、顔面の骨格や発育にも影響を与えます。
小児期の成長過程においては、鼻呼吸による適切な舌の位置が顔面のバランスや上顎の広がりを促進します。
しかし、口呼吸が続くと、舌が下がった状態となり、顔面の筋肉や骨格の発達に必要な刺激が不足します。
その結果、上顎の発達不全や狭い口蓋が生じ、さらには「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔立ちになる可能性があります。
具体的には、下方向に成長する骨格の偏りや、横幅が狭くなることで、出っ歯や受け口といった不正咬合のリスクも増加します。
また、顔全体の印象が変わりますので、こちらも早期の改善が非常に重要です。

噛み合わせへの影響

口呼吸が習慣化すると、噛むときの力のかかり方にも影響が及びます。
正しい咬合が維持されず、上下の歯が正しく接触しなくなるため、食事中の咀嚼効率の低下発音の問題が発生する可能性があります。
長期的には、噛み合わせの不調が顎関節症や顔面筋の緊張、さらには顎の非対称性へと繋がる恐れがあるため、早期の対策が求められます。

2. 口呼吸による口腔内の乾燥とその悪影響

唾液の役割と口呼吸

唾液は、口腔内の自浄作用を担い、細菌の繁殖を抑制し、歯の再石灰化を促進する重要な役割を果たします。
しかし、口呼吸によって常に口腔内が乾燥状態になると、唾液の分泌が減少し、細菌が増殖しやすい環境が整ってしまいます。
これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、口呼吸によって口腔内が常に乾燥すると、細菌の活動が活発になり、強い口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が発生します。
また口臭は、対人関係にも影響を及ぼすと言われています。
もし、お話をしている時に「口が臭い」と言われたらどう感じるでしょうか?私だったら結構な精神的ダメージを受けてしまいます…

岐阜市口臭

乾燥による細菌繁殖の促進

口腔内が乾燥することで、普段は唾液により洗い流されるはずの細菌や食べかすが残留しやすくなります。
これがプラーク(歯垢)の形成を促進し、歯周ポケットが深くなることで、歯周病が進行するリスクが高まります。
加えて、唇や舌の粘膜の乾燥は口内炎潰瘍を引き起こす原因ともなり、口腔全体の健康を脅かし、
さらには全身の健康にも影響を及ぼすリスクが高まります。

3. 口呼吸の原因とその対策

原因の把握と治療の必要性

口呼吸の原因は多岐にわたります。
鼻詰まり、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症、扁桃肥大など耳鼻咽喉科的な問題が背景にあるケースが多く、これらの原因を正確に診断し、必要な治療を行うことが重要です。
私たち歯科医師としては、口腔内の変化を早期に発見し、他の専門医と連携して包括的な治療を進めることが望まれます。
口腔内の変化は自覚しにくいため、大人も子供も定期的な歯科検診を受け、早期発見と対策を心がけることが大切です。
ぜひ!お子様のフッ素塗布などで、お越しいただいて定期的に健診をうけてくださいね!

日常生活でできる対策

口呼吸の悪影響を防ぐために、日常的な対策が推奨されます。
お子様の場合は親御さんが声をかけてあげたいところです。

メリーポピンズ

メリーポピンズという映画をご覧になられてことはありますか?
そのなかで子供(マイケル君)が驚いてポカンと口を開けているとすかさず、「口を閉じてください、マイケル。私たちはタラではありませんよ(Close your mouth please, Michael. We are not a codfish.)」と指摘します。
日本より歯並びに重きを置く欧米ではこの頃から口呼吸の危険性が知られていて、このような声掛けをしていたのかも知れませんね。
メリーポピンズという映画は名作なのでご家族で観ていただき、このセリフをなぞってみるのも面白いかもしれません。

4. まとめ

口呼吸が及ぼす影響は、歯並びや噛み合わせの乱れに留まらず、顔面発育や骨格形成にまで広がる深刻な問題です。
特に小児期においては、口呼吸が習慣化すると正常な上顎の発育が阻害され、将来的な矯正治療の必要性が高まるリスクがあります。
したがって、口呼吸を早期に発見し、原因に応じた適切な治療や生活習慣の改善を図ることが不可欠です。

現代の歯科医療では、虫歯や歯周病の治療に加え、口腔内の機能とバランスを整えることが求められています。
小児期のうちに鼻呼吸への移行や、正しい舌の位置を保つためのトレーニング用装置(マイオブレイス)などを用いて、口呼吸による悪影響を根本的に改善する取り組みが進められています。

最後に

今回の歯科医師ブログでは、口呼吸が歯並びのみならず、顔面発育や全身の健康に及ぼす悪影響について、歯科医師の視点から徹底解説してみました!(長くなってしまいましたね…)
口呼吸がもたらす多面的な問題を正しく理解し、鼻呼吸へと改善するための意識改革や日常のケアを実践することで、将来的なトラブルを未然に防ぐことが可能です。
皆様もぜひ、日々の呼吸法を見直し、健康な生活と美しい笑顔を維持していただければ幸いです。
そして、お子さんの成長期における正しい呼吸習慣の確立は、将来の矯正治療のリスク低減に直結しますので、ぜひご家庭でも意識していただきたいと思います。
「Close your mouth please, Michael. We are not a codfish.」

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