こんにちは!今年のゴールデンウィークはいかがでしたか?
リフレッシュできましたか?
さて、5月の歯科医師ブログは「ホワイトニング」に触れてみようと思います。
先日アップした当院のTikTokやinstagram、YouTubeショートでも「ホワイトニングあるある」共感度チェック!と、題して実際にホワイトニングしている歯科衛生士さんに登場してもらいました。
気になる方はぜひ!「#りお歯科クリニック」で検索してみてください!
思っていた以上に再生されているので「歯を白くしたい」というニーズが高まっていると感じました。
さて、そんなSNSの広告でも見かける(表示される)ホワイトニングサロンの手軽さに魅力を感じている方も多いのではないでしょうか?
しかし一方で、当院へホワイトニングの相談でお越しになられる方の中には「効果が実感できなかった」「効果が続かなかった」「染みるようになった」と、おっしゃられる方も一定数いらっしゃいます。
今回はホワイトニングサロンと歯科医院で行うホワイトニングの違いを、歯科医師の立場から詳しくご説明してみたいと思います。
※当院では現在、オフィス(院内)ホワイトニングは行っていないため、患者様のご自宅で安全に行っていただくマウスピースを用いた「ホームホワイトニング」を中心にご紹介します。
1.ホワイトニングサロンの特徴
メリット
手軽さ・スピード感
多くのサロンでは照射時間の短さや、お値打ち感、事前カウンセリング後すぐに施術できる手軽さを売りにしているようです。
今回のブログを書くにあたり少し調べたのですが「1回30分で○段階の白さを実現!」「〇回ホワイトニングお試しコース!」などキャッチーな宣伝が目立つ気がします。
コストが比較的安価
歯科医院でのオフィスホワイトニングやホームホワイトニングに比べ、単価が低く設定されていることが多く、初めてでもトライしやすい価格帯だと感じました。
デメリット・リスク
歯科医師による診査・診断がない場合が多い
サロンの施術者は歯科医師や歯科衛生士ではないことが多く、虫歯や歯肉炎などの口腔内リスクを事前に見落とす可能性があります。
また、ホワイトニング液の塗布やライトの照射だけでなく、口の中を指で触れるような行為は上記の有資格者以外が行うと違法になるため、サロンに行ってもご自身で薬剤を塗布し、ライトを照射するセルフホワイトニングになる可能性があるという事も覚えておいてください。
薬剤の濃度や成分の不透明性
歯の漂白効果がある過酸化水素や過酸化尿素が配合されたホワイトニング液は歯科医院でしか取り扱い(販売)ができないため、一般的にホワイトニングサロンでは重曹・ポリリン酸・炭酸カルシウム・メタリン酸などが入ったホワイトニング液が多く、刺激が強い輸入品を使用する事もあるため、知覚過敏や粘膜への刺激といったトラブルを招くことも少なくありません。
効果の持続性にばらつき
照射器具や上記の薬剤、施術者の技術レベルにより、効果の程度や持続期間に大きな違いが出やすく、必ずしも安定した結果が得られるとは限りません。
2.歯科医院でのホワイトニングの特徴
歯科医院でのホワイトニングは大きく分けて「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類があります。
当院ではオフィスホワイトニングは実施せず、安全性と利便性を兼ね備えたホームホワイトニングをおすすめしております。
先にも書きましたが、今回はホームホワイトニングのお話を書かせてもらいます。
ホームホワイトニング(マウスピース法)
歯科医院で歯科医師又は歯科衛生士が型取りを行い、患者様専用のマウスピース(トレー)を歯科技工士が作製します。
しっかりとした工程を経てオーダーメイドされたマウスピースへ医薬品として効果が認められたホワイトニング液を入れ、一定時間装着していただく方法です。
メリット
安全性が高い
ホームホワイトニングでは、低濃度の過酸化尿素などを使用し、歯科医師の指導・管理のもとで行うため、歯や歯肉に与える刺激が抑えられています。
※当院で現在販売中のホワイトニング液は、過酸化水素6%(過酸化尿素に換算すると約17%)で、ホワイトニング効果が科学的に裏付け(エビデンス)されたホワイトニング液です。
※一般的に歯科のオフィスホワイトニングでは35%前後の過酸化水素を使用しますが、強い漂白効果がある反面、刺激が強く痛みや知覚過敏などの症状が起こりやすくなります。
じっくり白くできる
毎日一定時間、約2〜3週間継続して使用することで、歯の内部まで漂白成分が浸透し、ムラのない自然な白さを実現します。
また、徐々に漂白作用が進むため、効果が定着しやすく、後戻りも少ないという特徴もあります。
※当院で現在販売中のホワイトニング液は、標準60分(最大90分)×10日間で効果を得ることができるというエビデンスがあります。
デメリット
即効性に欠ける
じっくり時間をかける分、オフィスホワイトニングのような「その日のうちに白く」は難しいです。
しかし、ホームホワイトニングをしている当院スタッフの話では、ある程度白くなると、毎日行う必要もなく、タッチアップケアとして習慣化すると負担は少なく感じられるそうです。
自己管理が必要
歯科医師の指導をしっかり守り、漂白剤の量や装着時間を守っていただき、継続的に行う必要があります。
明日のお出かけ前に白くしたいからといって、大量に液を塗布して長時間ホワイトニングするというような事は避けていただき、計画的に白くしていく必要があるわけです。
3.ホワイトニングサロンと歯科医院の違いまとめ
使用する薬剤の違い
歯科医院では、過酸化水素や過酸化尿素といった医薬品として漂白効果があると認められた薬剤を使用します。
先にも書きましたが、これらは医薬品であり、歯科医院でのみ使用や販売が許可されています。
一方、ホワイトニングサロンでは、これらの薬剤を使用できないため、一時的に歯が白くなる事はあっても、歯そのものを白くする効果は期待できません 。
施術者の違い
歯科医院では、国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士が施術を行い、マウスピースなどは歯科技工士が制作を行います。
一方、ホワイトニングサロンでは、資格を持たないスタッフが施術を行う場合もあり、医療行為に該当する施術は行えません。
ホワイトニング前の歯石取り・バイオフィルム除去の重要性(クリーニングの有無)
りお歯科クリニックでは、ホワイトニング前にスケーリングやPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を行い、事前に歯石や着色、バイオフィルムを除去することをおすすめしています。
これにより、ホワイトニング剤が歯面に均一に浸透し、効果が高まります。
ホワイトニングサロンでは、これらの専門的なクリーニングを行うことができません 。
実は、今回ブログのためホワイトニングについて改めて調べていたのですが、ホワイトニングの学術論文を読むと必ずPMTCなどの歯面清掃を行い効果の検証をしています。
イメージしてみて下さい。
歯に歯石やバイオフィルムと呼ばれる膜がある状態や、着色汚れがある状態でホワイトニングをして、薬液がちゃんと歯に浸透すると思いますか?
個人的にはこの違いはすごく大きいと思っています。
歯を白くした方は、定期的に歯石取りなどのメンテナンスに通っていただく事もご検討ください。
4.さいごに
「ホワイトニングで歯が弱くなりますか?ボロボロになりますか?」
よく聞かれるので最後にお答えしていきます。
結論から言うと、歯科医院で取り扱うホワイトニングでは、時間や薬液の量を守っていただければ、そのようなリスクは、ほぼありません。
確かに、薬液などの影響で施術後、一時的に「脱灰」する可能性はありますが、日々の暮らしの中でも「脱灰」と「再石灰化」は繰り返されていますのでご安心ください。
ただし、「知覚過敏」の症状は出やすくなりますので、時間や使用する薬液の量を適切に守っていただき「シュミテクト」などの知覚過敏用歯磨剤を使っていただくと良いかもしれません。
ただし、ホワイトニングサロンなどの施術や、輸入ホワイトニング歯磨剤や輸入ホワイトニング液などは、薬剤の濃度が適切でなかったり、ホワイトニングと言いながらも研磨剤だったりと、歯や歯茎を傷める危険性があるのでご注意ください。
「虫歯あってもホワイトニングできますか?」
これもよく聞かれますが、歯科医師の立場ではおすすめできません。
まず、虫歯が進行して象牙質や神経に近づいている場合、ホワイトニング剤が刺激となり、強い痛みを引き起こす可能性があります。
また、虫歯がある歯と健康な歯では、ホワイトニングの効果に差が出るため、施術後に色ムラが目立つことがあるので、注意が必要です。
ホワイトニングサロンは「手軽さ」と「スピード感」が魅力ですが、歯科医師による診査や安全管理が伴わないケースが多く、リスクを伴います。
一方、歯科医院でのホームホワイトニングは「安全性」「持続性」「自然な白さ」を重視したい方に最適です。
当院のホームホワイトニングは、知覚過敏や歯肉トラブルのリスクを最小限に抑えつつ、ご自宅で無理なくケアいただくことで、透明感のある自然な白さを実現します。
「歯の黄ばみが気になるけれど、サロンと歯科医院どちらがよいのか、わからない…」と、いう方は岐阜市の歯科医院!りお歯科クリニックへお越しください!
岐阜市の歯医者 りお歯科クリニック 歯科医師ブログ