岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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歯科衛生士ブログ なぜ歯の定期検診に通う必要があるか

なぜ歯の定期検診に通う必要があるか

少し長めの産休をいただいていた歯科衛生士の梶原です。
本日!4月15日から私の他にも歯科衛生士の津田や宇野も復帰しますのでお待たせしていた患者さま!
これからもよろしくお願いいたします!
今日は歯科衛生士の視点から歯のメンテナンスの必要性について書いていこうと思います。

最近になって歯の定期検診(メンテナンス)と良く耳にしませんか?
ひと昔前の歯科医院は虫歯を治すだけの場所だったと思います。
これが10数年前から虫歯の治療に加えて歯の定期検診をする場所へと変わってきています。
理由はいくつかあり、ひとつに健康寿命が延びたことによって、人々のQOL=Quality of life(クオリティ・オブ・ライフ)が向上したからだと言われています。

では、なぜ虫歯治療が終わった後も定期的に歯のメンテナンスをする必要があるのでしょうか。
ここにひとつのグラフがあります。

定期的に歯のメンテナンスを受けた人と、何かトラブルがあったときしか歯科医院に行かない人とでは、60歳の時点で約10本、歯の本数に差があることが分かります。
これが70歳だと約15本80歳だとなんと約20本も残っている歯の本数が違ってきており、これだけ本数が違ってくると、噛む力も全く違うため、食べられるものも違ってくることが想像できるかと思います。
日本の平均寿命が80歳を超していることを考えると、噛み応えのある食べ物を食べられる方と柔らかな物しか食べられない方とで明らかにQOLに差が出ていることが分かりますね。

「歯が抜けたら入れ歯にすればいいよ」と言う方もいらっしゃいますが、どれだけ良い入れ歯を入れても、普通の歯の噛む力には敵いません。
(入れ歯の噛む力は普通の歯の3割ほどと言われています)
他にもインプラントやブリッジと言った治療もありますが、どれもメリットやデメリットもあるため、ずっと自分の歯で噛めることが1番です。
(2023.11月18日のブログ「失った歯を補う方法」も読んでみてください)
いつまでも食べたいものを我慢せず食べたいですよね。

しかし日本人の歯への意識は世界と比べるとかなり低いのが現状で、歯科医療の先進国で有名なスウェーデンでは歯の定期検診に通っている方が90%なのに対し、日本人はわずか2%しかいません。
80歳の方の歯の本数もスウェーデンは25本に対し日本は8.8本と、15本以上の差があります
他の先進国と比べても低いことから、日本人の歯に対する意識の低さが分かりますね。
有名なアンケートで言えば、シニア(55~74歳)1000人に調査した「リタイアする前にやるべきだった後悔トップ20」と言う記事の項目の第一位は「歯の定期検診を受ければ良かった」だそうです。
最近の研究で歯の本数が少ないと認知症を発症しやすいことも分かってきました。
認知症の方の残存歯数の平均は9.5本、そうでない方は15本だそうです。
このことから、歯を約20本失うと認知症を発症しやすくなると言われています。
この記事を読んだ皆さんは是非、歯を失う前に歯の大切さに気付いて欲しいですね。

この記事を読んだ方で、「ふむふむ歯の定期検診に通った方が良さそうだな!」と思っていただけた方もいれば、「私は家で毎日しっかり歯磨きをしているし、糸ようじも歯間ブラシも、なんならマウスウォッシュもしているから、わざわざお金をかけて歯のメンテナンスをする必要性を感じないな!」と考えた方もいらっしゃると思います。
ご自宅での歯ブラシが大切なのはごもっともです。
歯は毎日の歯ブラシが1番大切です。
しかしそれだけでは不十分なので、歯科医院でのメンテナンスを私たちは強くオススメしています。

前提として、お口の中には300~700種類の細菌が生息しており、歯を良く磨く人でも1000~2000億個もの細菌が存在しています。
この中には当然、虫歯菌や歯周病菌もいます。
と言っても、途方もない数すぎてイメージできませんよね。
当院では顕微鏡でお口の中のご自身の細菌を見ることができます。
イメージしにくい方は是非当院でお口の中の細菌を見て欲しいです。
とってもリアリティがありますよ!
この細菌の塊が目で見える状態になったものをデンタルプラーク(以下プラーク)と言います。
良く歯医者さんで「磨き残しがありますよ~」と言って見せられる白い塊のことですね。
これは食べカスというわけではなく細菌の集合体です。
これを取って顕微鏡で見るとたくさんの細菌を見ることができますよ!

お口の中には細菌がいっぱい

ここに歯の画像があります。
歯の周りには歯周ポケットという溝が存在しています。
歯周病菌は歯周ポケットの中がとっても大好きでこの中にはたくさんの歯周病菌が存在しています。
ほとんどの方が3~4㎜の歯周ポケットがあり、歯周病が進行している方だと、歯周ポケットは5㎜以上です。
絶対に普段の歯ブラシでは細菌を取り切れません。
この歯周病菌によって歯茎が炎症を起こした状態を歯肉炎と言います。触ると歯茎から血が出るので分かりやすいですね。
この状態が2週間~1ヶ月続くと歯を支える歯槽骨にまで炎症が及ぶと言われています。
そうなると歯を支える骨が溶けていくので、そうなる前に、歯科医院で専用の機械を使ったメンテナンスを受けていただけると、歯周病を予防することに繋がります。
専用の機械では歯周ポケットの中を超音波で洗浄しますので、一気に歯周病菌の数を減らすことができます。
ただの歯のお掃除ではなく、歯周病の治療の1つだと考えていただきたいです
しかし毎日お食事するお口の中を無菌にすることはまず不可能ですから、定期的に歯のメンテナンスを受けていただくことによって、歯周病の進行を遅らせることが大切になるわけです。

歯医者さんで虫歯の治療が終わって、「やっと治療が終わった!」と思っているところに、「では定期的に歯のメンテナンスに通って下さいね!」と言われて、「いつまで歯医者に通わせるつもりだー」と思う気持ちも分かります。
しかし、毎日の生活で欠かせない歯だからこそ、私たち歯科衛生士は一生自分の歯で噛める人生を歩んで欲しいと心から願っています。

そのためにも、どうか皆さんの生活の一部に歯のメンテナンスの日という項目を追加していただけますと幸いです

ここまで読んでいただきまして誠にありがとうございました。

今回は
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歯科医師ブログではなく…歯科衛生士ブログ!