岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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歯科医師ブログ 受動喫煙とお子さまのむし歯

歯科医師ブログ2023.12月

こんにちは。
先日、忘年会とは別で総務と居酒屋へ行ったのですが、久しぶりに分煙になっていないカウンターの居酒屋でした。
来年の春からは新幹線も禁煙になるそうですし、昔は映画館やバスの中でも座席でタバコを吸ってたそうです!知ってました?
そんな話をしていたら、ふと小児の受動喫煙と虫歯についての文献があった事を思い出したので、
今回はそのことについて書いていこうと思います。

京都大の川上浩司教授と田中司朗准教授らのチームが2015年に、イギリス医師会雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」へ興味深い研究結果が報告されています。

神戸市内の2004~10年に生まれた子供、約77,000人の出生時・4・9・18ヶ月・3歳児の健診結果で、3歳時点で1本以上の虫歯や歯の欠損、治療歴があるかどうかと、お母さん達へのアンケートにより、家庭における喫煙状況、小児の受動喫煙の状況、食習慣および歯のケアについて回答してもらい分析したところ、以下のことが判明したそうです。

①約77,000人のうち約13,000人(約16.9%)に虫歯が認められた。

②子供の家族に喫煙者がいる割合は約55%

③子供が直接タバコの煙にさらされていた割合は7%

④(②)の場合、喫煙者がいない子供と比較して3歳時の虫歯リスクは1.46倍

⑤(③)の場合、喫煙者がいない子供と比較して3歳時の虫歯リスクは2.14倍

この結果には「なんで?」と、いう感想と「やっぱりな」という感想が半々でした。

受動喫煙

「なんで?」
むし歯になる条件は「原因菌」「糖」「時間」が揃う必要があります。
すごく分かりやすく、むし歯になるメカニズムを説明すると…
「原因菌」が「糖」を栄養にして、酸を作り出します。
酸が歯を溶かし、その状態が続くと(「時間」経過)むし歯になります。

このメカニズムの中に受動喫煙が入り込む余地がないので、「なんで?」という感想を持ったのです。

タバコの煙に含まれるニコチンがむし歯の原因菌に作用して菌が歯に付着しやすくなるとか、
ニコチンやタールなどの有害物質が原因菌を増加させるとか、
タバコの煙が唾液などに生化学的な変化を生じさせる可能性がある等々…
という話も聞いた事はありますが、これは信頼できる!というエビデンスは私が調べる限りありませんでした。

「やっぱりな」
次に、なぜ「やっぱりな」という感想に至ったのかについては…これは経験としか言えません。
診察室にお子さんと一緒に入ってこられて強いタバコの匂いを感じる親御さんのお子さんは、なぜか?むし歯が複数ある事が多いのです。
もちろん、むし歯の無いお子さんもみえますので、あくまで肌感覚での事です。

子供のむし歯

私なりになぜ、このような研究結果になったのか考えてみました。

「時間」
過去に喫煙していた当院のスタッフ(総務)の話では、「食後の一服は至福…」だそうです(笑)
お父さん又はお母さんが食後に至福の一服をしているとき…食後の子供は歯を磨くでしょうか?
恐らく歯磨きは後回しにされるでしょう。
ここで、むし歯のメカニズムである「時間」が経過してしまいます。

「原因菌」
これはデータがありますが母親の口内にある、むし歯の原因菌(ミュータンス菌)の数が多いと子供のむし歯への感染率が上がります。
食後に至福の一服(しつこい)をしているという事は親御さんも食後すぐに歯磨きをしているとは思えませんので、やはり虫歯の原因菌を多く抱えている可能性があります。
この原因菌が、愛する子供への「キス」や、熱い食べ物や飲み物をさます「フーフー」、自分の箸やスプーンで食べさせる「あーん」により感染してしまいます。
特に3歳ごろまでは、これらの優しさや愛情表現が、むし歯をつくる原因になりますので気を付けていただきたいです!
お子さんの事をおもえば、3歳以降も避けた方が良いと思います。

ちょっと脱線しますが…
この、むし歯の原因菌である「ミュータンス菌」のうち、脳の血管内のコラーゲンと結合することができる遺伝子を保有する株が、微小脳出血の出現に関与することを、国立循環器病研究センター・大阪大学大学院歯学研究学科・慶應義塾大学医学部・英国Southampton大学医学部・米国Louisville大学脳神経内科の国際合同チームが明らかにし、アメリカ心臓協会、アメリカ脳卒中協会発行の国際誌へ掲載され、何と!表紙まで飾りました!
微小脳出血は、発症してもほぼ無症状なのですが、認知機能障害と関連しているといわれています。
また、将来的に脳出血や脳梗塞を発症するリスクを上げるとも言われています。
これが、体の健康はお口からと言われる所以です。
この事(メタボリックドミノとも言います)に関しては、また別の機会にじっくり調べてブログに書こうかと思っていますが、むし歯の原因菌(又はむし歯)が多くお口の中にある場合認知症・脳出血・脳梗塞のリスクが上がる(可能性がある)という事を覚えておいてください。

「糖」
これに関しては、よく分かりません(笑)
ちょっと言い過ぎかもしれませんが可能性としてあえて挙げるならば、これだけ受動喫煙の危険性が指摘され、対策が講じられるなかで子供の前でタバコを吸い、煙にさらすことを気にされない親御さんが糖のとりすぎや栄養バランス、食後の歯磨きなどを気にするとは思えませんので、そのような生活習慣が原因の可能性もあります。

むし歯の無い子供

子供のむし歯に関しては、過去と比べ減少傾向にあるものの、歯が生え始めた頃から定期的にフッ素塗布などに通い「むし歯ゼロの子」とむし歯になってから初めて歯医者に来る「むし歯が複数ある子」の二極化が進んでいると言われています。
お子さんを大切にされるなら、一番近くで生活される親御さんが受動喫煙はもちろんの事、食生活やその他の生活習慣全般に目を向けて管理していただく事が大切なのではないでしょうか。

このブログがきっかけでお子さんの受動喫煙はもちろん、ご家族皆さんが歯科医院へメンテナンスやフッ素塗布など定期的に通ってもらえると嬉しく思います!

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